障害者手帳のメリットと取得手順|発達障害のある人が知っておきたいこと

発達障害やADHDの診断を受けた後、「障害者手帳を取得するかどうか」という選択が出てくることがあります。手帳を持つことでどんなメリットがあるのか、取得にはどんな手順が必要なのか——この記事では、発達障害のある人が障害者手帳を検討する際に知っておきたいことを整理します。取得を勧める記事ではありません。選択肢として知っておくための情報整理です。


発達障害で取得できる手帳の種類

障害者手帳には3種類あります。

種類対象
精神障害者保健福祉手帳精神疾患・発達障害など
療育手帳知的障害
身体障害者手帳身体障害

ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害では、精神障害者保健福祉手帳が対象になります。療育手帳は知的障害が伴う場合に取得できることがありますが、発達障害単体では原則として精神障害者保健福祉手帳の対象です。

精神障害者保健福祉手帳は1〜3級に分かれており、症状の程度によって等級が決まります。診断書の内容をもとに審査されます。


手帳取得のメリット

障害者雇用枠での就職活動ができる

最も大きなメリットとして挙げられることが多いのが、障害者雇用枠での就職・転職活動ができるようになることです。

障害者雇用枠では、企業側が特性への配慮(業務内容・環境調整など)を前提として採用するため、一般雇用と比べて「特性をオープンにして働ける」環境が整っていることが多いです。発達障害専門の転職エージェントへの登録も、手帳があることで選択肢が広がる場合があります。

障害者雇用の詳細は障害者雇用とは?一般雇用との違いと発達障害のある人の選び方で整理しています。

税制上の優遇措置

精神障害者保健福祉手帳を持つことで、以下の税制優遇が受けられる場合があります(等級・自治体によって異なります)。

  • 所得税・住民税の控除(障害者控除)
  • 相続税の控除
  • 自動車税の減免(等級によっては適用外)

各種割引・サービスの利用

手帳を提示することで受けられるサービスがあります(自治体・事業者によって異なります)。

  • 公共交通機関(電車・バス)の割引
  • 映画館・美術館・博物館などの入場料割引
  • 携帯電話の料金割引
  • NHK受信料の減免(1級の場合)

就労支援サービスの利用

就労移行支援などの障害福祉サービスは、手帳がない場合でも利用できることがありますが、手帳を持っていることで手続きがスムーズになるケースがあります。手帳なしで利用できる就労支援については障害者手帳なしで受けられる就労支援まとめで詳しく解説しています。


手帳取得の注意点・デメリット

更新手続きが必要

精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年です。継続して利用するには定期的な更新が必要で、そのたびに診断書の提出が求められます。

全員が「取るべき」ではない

手帳の取得は義務ではなく、個人の選択です。職場への開示義務が生じるわけでもありません。一般雇用で特性を開示せずに働く「クローズ就労」を選ぶ場合は、手帳の有無が直接関係しないケースもあります。

等級によってメリットの幅が変わる

受けられる優遇措置は等級によって異なります。3級では一部の制度が対象外になることもあるため、取得前に自治体の窓口で確認することをおすすめします。


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取得の手順

  1. 精神科・心療内科を受診する 発達障害の診断を受けていない場合は、まず診断を受ける必要があります。すでに通院中の場合は主治医に相談します。診断を受けるメリット・デメリットは発達障害の診断を受けるメリット・デメリットで整理しています。

  2. 医師に診断書の作成を依頼する 手帳申請には、指定の書式による診断書が必要です。初診から6か月以上経過していることが条件とされています(医師の判断で例外あり)。

  3. 市区町村の窓口に申請する 住所地の市区町村(福祉担当窓口)に診断書・申請書・写真等を提出します。必要書類は自治体によって異なるため、事前に確認してください。

  4. 審査・交付 都道府県・指定都市が審査を行い、通常1〜3か月程度で交付されます。


それでも迷う場合は

手帳の取得が自分に合うかどうかは、現在の就労状況・目指す働き方・生活環境によって異なります。「取ったほうがいいか」を一人で判断することが難しい場合は、発達障害者支援センターや就労移行支援事業所の相談窓口に問い合わせると、状況に合ったアドバイスをもらえます。

転職・就労の観点で専門家に相談したい場合は、発達障害専門の転職エージェントに相談するという選択肢もあります。

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まとめ

  • 発達障害では精神障害者保健福祉手帳(1〜3級)が取得対象になる
  • 主なメリットは障害者雇用枠の利用・税制優遇・各種割引
  • 取得は義務でも強制でもなく、自分の状況に合わせて選択するもの
  • 申請は医師の診断書をもとに市区町村窓口で行う

「取るかどうか」の前に、「取ることで何が変わるか」を具体的にイメージしてみることが、納得できる選択につながります。


※本記事の情報は公的資料をもとに整理しています。制度の詳細・最新情報は各自治体の窓口または厚生労働省の公式情報でご確認ください。

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この記事を書いた人:セナ

SESインフラエンジニアとして働きながら、未診断のグレーゾーンとして発達特性と向き合ってきた経験をもとに本メディアを運営。公的機関の情報をもとに、当事者視点で記事を編集しています。

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